声優・石田彰さん

 今回は「石田彰」さんについてご紹介します。石田彰さんは現在大活躍されている人気声優の1人。声優ファンで知らない人はいないし、その演技力の高さと独特の艶を帯びたような声は「石田ボイス」と呼ばれているほど唯一無二の存在として知られています。代表作はエヴァンゲリオンシリーズの渚カヲルやスレイヤーズシリーズのゼロスのようなミステリアスな役や、最遊記シリーズの猪八戒や機動戦士ガンダムSEEDのアスラン・ザラのような落ち着いた役。エレメンタルジェレイドのクーやテイルズオブエターニアのリッドのような明るい性格の少年や、ダンガンロンパシリーズの十神白夜やワンピースのキャベンディッシュのような高慢な役など演技の幅が広いです。また上記のような女性に人気な美形キャラの役を演じることが多いのですが、坂本ですが?の久保田良伸やバンブーブレードの栄花段十朗のようなそれらとは全く逆な美形とは程遠い役もこなしています。「石田彰=美形キャラ」というイメージが強いためかそういった役を演じられた際には、驚いたりショックを受けるファンが多いですね。その他にはミラクル☆トレインのとくがわやハートキャッチプリキュアのコロンのような二頭身のマスコットキャラや、美少女戦士セーラームーンのフィッシュ・アイやブレイブルーのアマネ=ニシキのような女性的なキャラも演じられています。特にフィッシュ・アイは「少女のような声を出す男性声優がいる」ということで話題になったそうですし、放送当時私は小学生だったのですがこの記事を書くまで女性が演じていたんだと思っていました。専門学校時代の先生も「初めて彼の声を聞いたときは女だと思った。」とおっしゃっていましたし、とある麻雀ゲームでは脱がない限り絶対にバレないような女装少年を見事に演じたため騙されて大きなショックを受けた人が多いし同業者にもいらっしゃいます。もちろんアニメやゲームだけでなく洋画吹き替えでも活躍されていて、韓流スターであるイ・ジュンギの吹き替えを専任で担当されているし超人気作であるハリー・ポッターシリーズでも重要な役を演じられました。役の幅も「広い!」の一言では済まないほど広いし、それを可能にする演技力も「スゴイ!」の一言では片付かないほどスゴイです。上記に挙げた代表作以外にも挙げるべき代表作はたくさんあるし、今後もどんどん増えるのではないでしょうか。
 人柄は同業者から「仙人」や「精霊」などと評されるほどミステリアス。人付き合いを極力避ける傾向にある方で共演者とも滅多に会話をしないし、自身が主役を務めた作品の打ち上げでさえ「自分くらいいなくても平気」といって参加しないほど。パンドラハーツというアニメでは珍しく参加されたそうで後の出演者用のアンケートで「この作品をやっていて1番驚いたことは?」という問いに、多くの共演者が「石田さんが打ち上げに参加したこと。」と書いたそうですよ。他には昼食を食べに行こうと誘われた際に「これからお昼食べに行くから。」と言って断ったり、後輩にメアドを聞かれた際に「なんで?」という一言で切り捨てたことも。常に他人との間に壁を作られているわけですが、石田さんはその壁が通常よりかなり分厚い方なんですね。しかしながらそれでも他人の心を惹きつける特殊な何かをお持ちなため、煙たがれることがないどころか老若男女問わず多くの同業者やファンに好かれています。声優仲間からも「万人に好かれているのは彼くらいじゃない?」「石田さんが好きな人とは皆友達ですから。」という声が挙がっているし、石田さんに影響されて声優を志した若手声優も多いそうです。1つの作品で2役どころか7役や46役も演じてしまうなど常人では真似出来ないほどの高い演技力もそうですが、その一風変わった独特なお人柄も石田さんの魅力の1つと言えますよね。
 石田さんが声優に憧れるようになったのは子供の頃で、中学生になって演劇部に入部して以来ずっと演劇に携われています。大学の演劇学科在学中に声優養成所に通い、養成所時代からプロデビューするなどその実力は折り紙つき。しかしそんな石田さんが極力避けるお仕事が1つだけあります。それは「キャラクターソングを歌うこと」。近年のアニメではある程度の人気がある作品とキャラクターなら、演じた声優にキャラクターソングを歌ってもらうことが多いです。石田さんのような代表作が多い方なら当然キャラクターソングも多く歌われているはずだと思いますが、2002年以降から歌わない姿勢を貫かれています。これは「自分の歌が商品として成り立つかどうかのハードルを越せない。」「何でもかんでも歌えばいいってもんじゃない。」という、自身の強いこだわりから来るもの。現にガンパレードマーチ~新たなる行軍歌~というアニメでは自身が主役であったにも関わらず、石田さんが演じるキャラクターの歌だけがありませんでした。当然当時所属していた事務所からは事務所を辞めるか歌うかの選択を突きつけられたそうですが、「歌わない声優になります!」と言って切り返したそうですよ。それからはキャラクターとして歌うことはないですし、どうしてもキャラクターものの企画CDに出演しなければならない際には語りやモノローグでの参加という形にされています。かといって決して音痴というわけではなく、銀魂などで演出上歌う必要がある際にはその見事な歌唱力を惜しげもなく披露してくださいますよ。
 お仕事をするうえで自分のこだわりや信念を壊さなければならないような場面は誰にでも訪れると思います。もちろんそれ自体は悪いことではないし他人に迷惑をかけないためには致し方ないときもありますが、曲げずに貫いた方が良いことだってありますし気持ちも良いですよね。しかしそのためには必ず成し遂げるだけの実力と周りからの信頼が不可欠。どんな局面でもベストを尽くせるようにまた最良の結果を得られるように、普段から己を磨くことを忘れずにいたいものです。